劇『わが町』新国立劇場中劇場(11-61=2列目)2011.1.29(土)千秋楽 何でもない日常の素晴らしさ。なぜこんなに素晴らしい芝居なのに皆声高にリスペクトしないんだろうか!
最近も何度も上演されている有名な作品で、
遅ればせながらこのたび初めて観劇しましたが…
素晴らしかった!
なぜこんなに素晴らしい作品なのに皆声高に
勧めてくれなかったんだろうか!
一幕目は、1900年アメリカの田舎町、
二組の家族の平凡な一日。
休憩を入れずに二幕目は、若い二人の結婚式、
そしてその馴れ初め、デートのシーン。
幸せな結婚式で幕を閉じて休憩。
そして第三幕は死、葬式と埋葬。
墓地の死人は生前を振り返り、死んで初めて
本当に大切なことが何だったのかを知り、
その貴重な幸せを感じていなかった
怠惰な当時の自分に憤る!
一幕目はとにかくラストのレベッカのセリフが輝いてる!
小さな町の一日が、一気に地球規模で俯瞰になる
スケールが凄い。
二幕目は何気ない幸せなシーンに泣ける。
三幕目、これまでのそれぞれの場面を含んだ
すべてのことの素晴らしさ。
と、同時にそれに気づかない人々の無頓着さ。
私たちは何と小さな箱の中で細かいことに
わずらわされながら、大切なことに気づかずに
生きているのだろうか。
小堺さんはいつものキャラを出さない抑えたところが良く、
セリフ量の凄さにも感心。
相島さん斉藤由貴さんの夫婦の空気感が優しい。
(けれど結局パリに行けなかったんだろう、ということが切ない)
何よりも佃井皆美さん中村倫也さんのカップルの演技がみずみずしい。
特に佃井さん(カテコで涙)の三幕は良かった…。
そうそう妹のレベッカを演じた大村沙亜子さんも良かった。
そしてピアノソロのメロディも心に残り、作品に大きく影響しています。
シンプルな舞台装置と小道具、アンサンブルによる効果音もいい。
実にキュートであったり、優しかったり、
それでいて冷酷であったり、
繊細だったり、スケールが壮大であったりと
多彩な面を持った作品でした。
作:ソーントン・ワイルダー
翻訳:水谷八也
音楽/ピアノ演奏:稲本 響
演出:宮田慶子
出演 小堺一機 相島一之 斉藤由貴
鷲尾真知子 中村倫也 佐藤正宏
山本亨 佃井皆美 橋本淳
菅野隼人 下村マヒロ 横山央
高橋宙無 斉藤悠 大村沙亜子
内山ちひろ
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